
スマートフォン・モバイル実務検定とは
主催団体
MCMP モバイルコンピューティング推進コンソーシアム
公式サイト
資格の概要
モバイルテクノロジー分野における技術活動、普及啓発活動、人材の育成を目的に、ドコモ・KDDI・Softbankといったモバイル通信を提供している会社や日立・NEC・東芝・シャープといった家電メーカーなどが加盟する業界団体によって発足した各種検定制度の1つです。
スマートフォン・モバイル実務検定以外にも「モバイルシステム技術検定」や「ワイヤレスIoTプランナー」などの検定を行っていて、スマートフォン・モバイル実務検定はその中でももっとも基礎的な知識が問われる検定です。
受験資格
満16歳以上
受験方法
CBT試験による随時試験
受験料
8,800円
こんな人にお勧め
- 携帯販売の仕事・バイトに就こうと思っている人
- スマホや携帯の知識を教えることが多い人
- スマホや携帯の技術的な知識を習得したいけど何から覚えたらいいか分からない人
スマホの最新機能や活用方法を学ぶ資格ではありません。
スマホがインターネットに繋がる仕組みやデータの送受信の仕組みなど、スマホのバックグラウンドの技術的な内容が問われる資格です。
この検定に合格すると「スマートフォン・ケータイアドバイザー」の認定証を発行してもらえます(有料 2,200円)
資格受験記録
受験のきっかけ
現時点で脳内にストックしているスマホ関係の知識を資格という目に見える形で視覚化しておこうと思ったのがきっかけです。
勉強時間
約1.5時間
勉強時間が短いのには理由があります(後述)
難易度(個人的体感)
受験前
受験後
実用性(個人的感想)
携帯販売の仕事に就くなら最低限知っておきたい知識を備えられると思います。
いまやスマホは生活必需品ですので、お子さんや親御さんなどにスマホやネットの安全な使い方をレクチャーするのにも役立ちそうです。(ドットコムマスターの方が役立ちそうですが)
モバイルアプリやシステムの開発に興味がある学生さんなどは、この資格ではなくて「モバイル技術基礎検定」を入り口にステップアップしていくことをお勧めします。
この資格はあくまでも「実務検定」なので携帯ショップの窓口などでサービスや端末の販売をする人向けです。
受験してみた感想
- 過去問が出回っていない(サンプル問題は公表されている)
- 合格ラインが分からない(何点満点で何点以上が合格か不明)
- 受験結果で点数を教えてくれない(何点取れたのか?どの問題を間違えたのか?)
と、とにかく情報量が少ないです。
出題範囲は
- スマートフォン・モバイル端末(商品/サービス)の知識
- モバイル機器のハードウェアとソフトウェアに関する知識
- モバイル関連サービス
- コンテンツとアプリに関する知識
- インターネットに関する知識
- 通信・通話の仕組みに関する知識
- 消費者保護に関する知識
- 時事問題(公式テキスト非掲載)
と公表されていますが、これを見ただけではどんな問題が出題されるか見当が付きません。
いままでの資格はどれも多くの過去問を繰り返し解くことで理解を深めてきたので、過去問が公開されていない資格を受験することがこんなに不安なことだとは思いもよりませんでした。
Youtubeで解説してくれているチャンネルがありましたので、このチャンネルの動画を見ることでおおよその主題範囲の見当を付けました。
勉強方法はこの動画を見るだけ。後はぶっつけ本番です。
受験直後の感想
受験前の体感難易度はかなり高かったです。難易度が高いというより不安感が強いと言った方が適切かもしれません。
実際の試験で出てきた問題は常識的な問題からそこそこ難問まで幅広かったです。
公式サイトではITパスポートと同程度の難易度と記載されていましたが、個人的にはITパスポートのテクノロジ系の出題内容の方が難易度が高いと感じます。
ただ出題範囲は幅広く
SDHCカードの容量は4GB~32GBである。(4択の選択肢の1つ)
のような家電製品アドバイザーの知識が役に立った問題もありましたし
USIMはソフトバンクのSIMカードである。(4択の選択肢の1つ)
といった携帯販売員でもなければ必要としないであろう知識や
日本国内で使っている携帯をそのまま海外で使うときに気をつけるのは次のうちどれ?(4択問題)
といった海外ローミングの知識や
スマホって高速で移動中でも電話かかってくるけど携帯会社はどうやって位置を把握してるの?(4択問題)
といった移動体通信の基本的な技術などなど、広く浅い知識が問われる内容でした。
また、ドットコムマスターで問われるような、メールのプロトコル(POPやSMTP)やIPアドレスとはなんぞや?なんて問題も出たりするのでネットワークの基礎知識も必要です。
スマホやモバイル通信に興味があってこの資格を取ろうとしている人であれば特別難しい内容ではない気もしますが、職場命令で無理矢理に受験させられる人には難問ばかりと感じるかもしれません。
なにより合格基準が公表されていないのが厳しいです。どれだけ理解できればOKなのかの判断が付きません。
公式のサンプル問題も配付されているので、まずはそちらを解いてみてみるのもいいかもしれません。
https://www.mcpc-jp.org/license/sample/
リックテレコムから公式のテキストが発売されていますので、初学者の方は公式テキスト熟読することをお薦めします。時事問題以外は公式テキストに書かれている内容から出題されるそうですので、全ページを暗記できるくらい読み込めば合格できるのではないでしょうか。
向き不向きがはっきりしていて、役立つ職種も限られるため誰にでもお勧めできる資格では無い印象です。
MCPCの他の資格
同じ団体が主催している資格の中にモバイル技術基礎検定という資格もあります。難易度的は同じくらいだと思うので機会があればチャレンジしてみようと思っています。