
宅地建物取引士とは
主催団体
一般財団法人 不動産適正取引推進機構
国土交通省(監督官庁)
各都道府県(交付権者)
公式サイト
資格の概要
宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)、通称「宅建士」とは、日本で宅地や建物の取引に関連する業務を行うために必要な国家資格を持つ専門家のことです。この資格を取得することで、不動産取引において重要な契約書の作成や説明、取引の仲介などの業務を法的に行うことができます。
宅建士の主な役割には以下のようなものがあります:
- 不動産売買や賃貸借の契約書の作成と説明
- 重要事項説明書の作成と説明
- 不動産取引における法律や規則の遵守を確保
- 不動産取引の仲介やコンサルティング
宅建士の資格を取得するためには、宅地建物取引士資格試験に合格する必要があります。この試験は毎年一度行われ、法令や実務に関する幅広い知識が求められます。資格を持つことで、信頼性が高まり、顧客に対してより専門的なサービスを提供することができます。
受験資格
日本国内に居住する方であれば、年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験できます。 ※合格後、資格登録に当たっては、一定の条件(宅建業法第18条)があります。
受験方法
年1回、全国一斉試験(10月の第3日曜日)
受験料
8,200円
こんな人にお勧め
国家資格の中でも屈指の人気資格です。2024年の受験応募者数は30万人を超えました。
宅建士でなければ出来ない業務(独占業務)があるため、不動産業界への就職・転職にはとても有利になります。
受験資格がないため、勉強さえすれば取得できる資格ですが、継続して勉強を続けないと合格は出来ません。
そのため、宅建試験に合格できる=継続して取り組む力がある、という判断から不動産業界以外への就職・転職でも評価されやすいです。
資格受験記録
受験のきっかけ
2024年5月のFP2級試験を終えてから次の目標を決めかねていました。
X(Twitter)などで同じ受験者の皆さんの動向を見ていると選択肢は大きく2つ、FP1級か宅建士でした。
どちらも興味がありましたが難易度を比べてみたところ宅建士の方がまだ取り組みやすく、試験日である10月までに準備が出来そうだったので宅建士を目指すことにしました。
勉強時間
期間:6月1日~10月19日、約4ヶ月半
時間:約370時間
解いた過去問数:11232問
学習の記録は別記事にまとめています

難易度(個人的体感)
いままで受験した資格試験の中では最も時間をかけましたし、最も真剣に取り組みました。
実用性(個人的感想)
宅建士証が交付されて晴れて宅建士となりましたが、不動産業界で働いているわけではありません。なので実用性はいまのところ皆無です。
変わったことといえば賃貸物件を選ぶ際に注目するポイントが変わりました。親類や友人に宅建士としての目線でアドバイスできるようになりました。
受験してみた感想
FPなど、それまで勉強した資格は「制度」や「仕組み」を勉強する内容だったのですが、宅建では「法律」を勉強することになります。
問題文に民法の条文が丸ごと出たり、問われている内容の正誤を過去の判例から判断したりと、自分で考えて答えを出さなければいけない問題が出題されるので、それまでの資格の勉強とは勝手が違うことに戸惑いました。
かと思えば単純な暗記が必要とされる分野もあるので勉強には時間がかかります。
試験は50問出題されますが、合格点が決まっていません。成績上位の約15%~17%が合格とされます。
出題内容が難しい年であれば合格点は下がりますし、出題内容が易しい年は合格点が上がります。
50問中36点でも合格できない年もあれば、50問中31点で合格できる年もあるわけです。
(2024年試験の合格点は37点、合格率はちょっと高くて18.6%でした。)
他の士業と同じく登録制の資格のため試験に合格しただけでは宅建士として働けません。
不動産業界で2年以上の実務経験がない場合は登録実務講習という12時間に及ぶ講習を受講する必要があります。
(2年以上の実務経験のある人は講習不要)
講習後に各都道府県知事から宅建士証が発行された後に、晴れて宅建士として働くことができるようになります。
上位資格
不動産関係の資格は他にもたくさんありますが上位資格と呼べるものはありません。
宅建とのダブルライセンス・トリプルライセンスと呼ばれる資格には以下のようなものがあります。
- マンション管理士
- 業務管理主任者
- 賃貸不動産経営管理士