
FP2級とは
主催団体
- 日本FP協会
- 一般社団法人 金融財政事情研究会
どちらで受験しても同じ資格が取得できますが、実技試験の内容が異なります。
ワタシはFP3級に続いて金財の試験を受験しました。個人的に金財の実技試験の方が難易度が低く思えたからです。
協会と金財の違いはFP3級の記事でまとめています。
公式サイト
資格の概要
FPはファイナンシャルプランナーの略称で、お金の専門家として個人のライフプランに合わせた資産形成・運用、保険、税金、教育資金、不動産購入、住宅ローン、老後資金、相続などのアドバイスを行う職業です。コロナショック以降の不安定な世界情勢・国内情勢により家計の不安が高まる中、お金に関するスペシャリストであるFPの需要は急速に高まっています。
受験資格
下記のいずれかを満たすもの
- AFP認定研修の受講修了者
- FP実務経験2年以上
- 3級FP技能検定合格者
AFP認定研修の受講修了者とは日本FP協会による講習で、この基本過程を修了することによりFP2級と同等の知識を得たと見なされます。簡単に言えば「お金を払って学校で学ぶ」ということです。
FP実務経験2年以上は、文字通りFP業務及びFP業務に準ずる業務に2年以上携わっているものを差します。
金融機関や保険会社、不動産会社などでの勤務歴がこれに該当するそうです。
私はAFP認定研修・実務経験のいずれの条件も満たさないためFP3級に合格してから2級を受験しました。
FP3級の取得記は別にまとめてあります。
受験方法
日本FP協会
2024年9月試験・2025年1月試験までは学科・実技ともに全国一斉試験
2025年4月よりCBT試験に変更(全国一斉試験は廃止)
一般社団法人 金融財政事情研究会
2024年9月試験・2025年1月試験までは学科・実技ともに全国一斉試験
2025年4月よりCBT試験に変更(全国一斉試験は廃止)、ただし2025年5月試験はCBT試験と全国一斉試験の並行実施
受験料
学科5,700円、実技6,000円
(2024年6月現在)
こんな人にお勧め
・全ての社会人
お金に関する知識を学ぶのであらゆる職種で活用できると思います。
金融業や保険会社では会社から取得を推奨されていますが、不動産業や企業の経理・庶務部門で働く方にもFPで学んだ知識は無駄にはなりません。
また、贈与や遺産相続といった税金に関する知識も学べますので、自分の生活・人生で起こりうる大きなイベントでの有利な立ち回り方を事前に学べます。
・独立の夢を持っている方
どんな職業で独立するとしてもFPで学んだ知識は必ず役立ちます。独立したら税金や保険などの手続きを全て自分で考えなければいけないのですから。
ただ、FPとしての独立は2級では難しい印象です。より上位の1級・CFPを取得して初めて人から信頼され相談料をいただけるくらいの知識を身につけられるのではないでしょうか。
資格受験記録
受験のきっかけ
普段意識しないで支払っている税金や保険料についてもう少し理解を深めたくて、まずはFP3級を受験しました。
その勉強が意外に楽しくて役に立ったので、ワンランク上の級にも挑戦することにしました。
勉強時間
32日間、128時間
3級の学習時間が60時間だったので2倍の時間を費やしたことになりますが、後になって思えば勉強時間・内容が少なすぎたと思います。3級が思ってたよりも簡単に感じたので2級の試験もナメてかかっていました。
この程度の学習時間で合格できたのは本当に運が良かったと思います。
詳細は後述しますが、一問一答形式で過去問を解いていればもっと高得点が取れたはず。
難易度(個人的体感)
3級同様に範囲が広いです。
3級学科試験では2択(○×)が30問、3択が30問だったのに対して、2級学科試験では4択が60問となります。
1つの選択肢について正誤を考え、1問が4択×60問=240問の○×2択問題を解くことになります。
問われる内容もより深く突っ込んだ内容となり、うろ覚えでは正解できないいやらしい引っ掛け問題も出題されます。
勉強を始めたのが試験のほぼ1ヶ月前だったので、その間は精神的に追い込まれた状態でした。なので星3.5ですが、時間に余裕を持って勉強できていればもう少し下がるのかもしれません。
実用性(個人的感想)
3級で学んだ知識をより深いレベルで定着させることができました。
思い出そうとする努力をせずとも思い出せる、といったレベルで知識が身についたと思います。
とはいえ、人からお金をいただいて相談に乗れるほどの知識はありません。日々の雑談でお金に関する疑問や話題が出たときに「それはね」と説明できるようになった、という程度でしょうか。
受験してみた感想
国家資格の中でも比較的簡単に取得できる人気の資格だけに分厚いテキストや問題集がたくさん出版されていて、どの本が良いとか悪いとかの情報も飛び交っていますが、3級と同様にテキストは不要でYoutubeの解説動画を見ながら過去問を繰り返し解くだけで合格まで持っていけると思います。
どんな資格でも同じですが、過去問が公開されているのであればこれを利用しない手はありません。
参考書を全部読む時間があるなら公開されている過去問を全部解く方が合格に近づけると思います。
過去問は過去問道場で決まりです。

今回も過去問道場さんにお世話になりましたが、せっかく用意してくれている「一問一答道場」を使わずに勉強を勧めてしまいました。恐らくですが一問一答道場を使って勉強していれば勉強がより捗ったのではないかと後悔しています。
宅建などの試験と同様に、4択の問題は4つ選択肢の中から正解を探す勉強法だと本番試験で躓きます。
どれだけ過去問を解いても、本番試験では過去問と同じ選択肢の組み合わせは出てくれません。4つの選択肢の1つ1つに対して正誤を考え、間違っていればどこがどう間違っているかその理由までも説明できるようにしておけば完璧です。
例えば
問)正しいものはどれか?
- 蜘蛛は昆虫である
- 虹鱒は在来種である
- さいたま市は埼玉県の都市である
- 南アルプス天然水は硬水である
という過去問があったとします。
正しい答えは一目瞭然で3なのですが、同時に1、2,4が不正解である理由も考えなければいけません。
1.昆虫の定義は足が6本なので8本足の蜘蛛は昆虫ではないはず
2.虹鱒はレインボートラウトという名前でも呼ばれているので本来は外来魚だったはず
4.地形が急峻で火山が多い日本の水は軟水が多いと聞いているので南アルプス天然水も軟水のはず
このように全ての選択肢で正誤の理由を勉強しておけば、本番試験で
問)正しいものはどれか?
- 蜘蛛は昆虫である
- 虹鱒は在来種である
- ロンドンはカナダの都市である
- 南アルプス天然水は硬水である
という意地の悪い問題が出て(カナダにロンドンなんて都市があったか?イギリスじゃないのか?)と思っても1,2,4が間違いであると確信できることから3が正解であると導けます。(これほど意地の悪い引っ掛け問題は出ないと思いますが)
一般的に勉強時間は200~300時間と言われたりもしますが、200時間はともかく300時間は必要ないです。
市販のテキストを最初から最後まで何周も読んで丸暗記するなら300時間以上必要かもしれませんが、それでは効率が悪すぎます。
勉強する単元を細かく区切って、少しずつ確実に覚えていくようにすれば大丈夫。
勉強する単元を決めたらYoutubeの解説動画で勉強して、すぐに過去問道場で該当する単元の過去問を解いてみます。
この時点で正解するわけがないので間違えても気にしない。間違えても正解しても解説を読んで1つ1つの選択肢に書かれている内容への理解を深めることが大事。解説を読んでも分からなければ、解説動画をYoutubeで探して理解するまで視聴します。
単元ごとに過去問を解いていると似たような問題が何度も出題されます。間違えた問題でもその時に解説を読んで理解してしまえば後の似たような問題が出たときに先の解説を思い出すことで正解できます。このときに知識が定着します。
学習はインプットとアウトプットが大事と言われますが、ジャンル別に連続して過去問を解くという行為はインプットと同時にアウトプットもできるので非常に効率が良いです。
細かく区切った単元だからといって、短期間に完璧にしようと思わなくても大丈夫。むしろ短期間で覚えたことは短期間で忘れます。
数日おきに同じ単元を繰り返し勉強して、繰り返すごとに理解を深める方が結果的に効率がいいです。
FPは大きく6分野に分かれます。この6分野の中で勉強する順番ですが、一番最初はタックスプランニング分野に手を付けるのが王道だと思います。
タックスプランニング分野では所得税をメインに学びます。他の5分野でも税金に関する知識を問われますが、他5分野で問われる税金をまとめて扱うのがタックスプランニング分野です。
ですので、先にタックスプランニング分野を勉強してから他の分野に進んでいくと税金関係の知識で躓くことが少なくなると思います。
私の32日間の学習スケジュールはこんな感じ。

上位資格
FP資格には大きく分けて2種類あります。
- FP技能検定(1級~3級)
- 国家資格で、一般社団法人金融広報中央委員会が実施
- 3級から受験可能で、1級が最上位
- 合格者は「FP技能士」の称号が付与
- CFP®資格・AFP資格
- 一般社団法人日本FP協会が認定する民間資格
- CFP®が上級、AFPが下級
- 実務経験や教育要件を満たす必要がある
CFP・AFPはFP技能士よりも実践的な相談業務を請け負える資格。FP協会の協会員となることで取得できます。
2級から上を目指すとなると実践的なAFPに行くコースと、さらに上を目指すFP1級コースの2つに分かれます。
が、私はもうここで満足です、これ以上は望みません。