
FP3級とは
主催団体
- 日本FP協会
- 一般社団法人 金融財政事情研究会
どちらで受験しても同じ資格が取得できます。
協会と金財の試験の違い
学科試験は日本FP協会(協会)、金融財政事情研究会(金財)ともに同じ内容ですが、実技試験の内容は大きく異なっていて、その結果合格率にも差が出ています。
FP3級 実技試験 合格率
実施団体 | 直近の合格率(目安) | 傾向・特徴 |
---|---|---|
日本FP協会 | 80~90%(直近85%前後) | 非常に高い。個人受験が多い |
きんざい | 40~70%(直近50~65%) | 低め。団体受験や専門性高い出題 |
金財(きんざい)のFP試験の合格率が低い主な理由のひとつは、「会社命令で受験させられている受験者が多い」ことにあります。
多くの金融機関や企業では、社員に対して団体申し込みでFP試験の受験を義務付けているケースが多く見られます。この場合、受験者本人が強い意志やモチベーションを持っているわけではなく、会社の指示で受験するだけという人も多く含まれます。そのため、十分な勉強や準備をせずに受験する人が増え、結果的に合格率が下がる傾向があります。
また、準備不足のまま受験することで不合格となり、再び会社が自動的に申し込みを行うことで、不合格者が累積し、さらに合格率が下がるという悪循環も指摘されています。
一方で、FP協会で受験する人は自主的に資格取得を目指す個人が多く、モチベーションが高くしっかり勉強しているため、合格率が高くなる傾向があります。
要約すると、「会社命令で受験させられる受験者が多いこと」が、金財の合格率が低い大きな要因です
FP3級 実技試験の問題数と出題内容(協会・金財別)
実施団体 | 試験名 | 問題数・形式 | 試験時間 | 主な出題内容・特徴 |
---|---|---|---|---|
日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 20問(マークシート三択) | 60分 | 6分野すべて(ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックス、不動産、相続)から幅広く出題[1][2][3][10]。実生活に即した総合的な問題が多い。 |
きんざい | 個人資産相談業務 | 15問(5題、事例形式) | 60分 | 6分野のうち、主にライフプラン、金融資産運用、タックス、不動産、相続。リスク管理(保険)はほぼ出題なし[2][7][10]。計算や事例対応力が問われる。 |
きんざい | 保険顧客資産相談業務 | 15問(5題、事例形式) | 60分 | 保険(リスク管理)が約40%を占めるなど、保険分野に特化[2][10]。保険業務志望者向き。 |
ワタシは協会・金財両方の過去問を数年分解いた結果、金財で受験しました。
その理由は
- 事例形式でパターン化されている
金財の問題は事例形式ですが、出題パターンがある程度決まっており、過去問演習を繰り返すことで「慣れ」が生まれ、得点しやすくなります。これは実際に過去問を演習してみると「なるほど」と思えるはず。 - 出題範囲が狭い
金財の実技試験は、FP協会に比べて出題範囲がやや狭い傾向があります。たとえば「個人資産相談業務」や「保険顧客資産相談業務」など、特定分野に特化しているため、対策がしやすく、得意分野がある受験者にとっては有利に働きます - FP協会よりも問題数が少ない
金財は問題数が少なく、集中して取り組みやすいです。配点が高い分ミスは許されませんが、パターンを押さえていれば短時間で得点しやすいと感じやすいです。試験時間が足りない!と思うことはまずないはず。
事例形式とは実際に起こりうる具体的なケース(事例)をもとに問題が出題され、その状況を読んで設問に答える出題形式です。
【事例】
Aさん(35歳・会社員)は、妻(32歳・専業主婦)と子ども(3歳)の3人家族です。Aさんの年収は500万円、現在の貯蓄は300万円です。今後、マイホームの購入を検討しています。Aさんは生命保険(死亡保険金1000万円)に加入しています。
【設問1】
Aさんが亡くなった場合、遺族年金などの公的保障のほかに、どのようなリスクに備える必要がありますか。次の中から最も適切なものを1つ選びなさい。
- 教育資金の不足
- 老後資金の不足
- 医療費の不足
【設問2】
Aさんの現在の貯蓄(300万円)を年1%の利率で5年間運用した場合、5年後の金額として最も近いものを次の中から選びなさい。
- 約315万円
- 約330万円
- 約345万円
こんな感じで5例が出題されて、1例の中に3問が含まれます。
難しいと感じたら受験団体を変えてみるべき
協会で受験するにも金財で受験するのも人それぞれ自由ですが、試験に合格したことで得られる資格はどちらも同じです。
なので、金財が難しいと感じたら協会で、協会が難しいと感じたら金財で受験してみるのもいいと思います。特に幾度か落ちている人は試してみる価値はあると思います。
公式サイト
資格の概要
FP技能士とは、厚生労働大臣の指導の下、日本FP協会またはきんざいが実施する国家検定に合格することで取得できる国家資格です。
FPは、お金の知識を活用しながら、その人の理想の人生や幸せの形を実現するために人生設計(ライフプランニング)を行えるお金の専門家です。預貯金や不動産、投資、金融、税制、保険、住宅ローン、年金などかなり幅広い知識が求められます。
FP技能士には1級、2級、3級があり、FP3級の試験は基本的な知識を問う問題が中心でFPの入門的位置づけの資格です。
後日FP2級も取得しました。取得記は別記事にて公開しています。
受験資格
無し
ただし、FP業務に従事している者または従事しようとしている者、という建前にはなっています
受験方法
日本FP協会
学科・実技ともにCBT試験(2024年4月から)
一般社団法人 金融財政事情研究会
学科・実技ともにCBT試験
(CBT試験会場の無い全国19地区のみ紙試験(マークシート)で実施)
受験料
8,000円(学科4000円・実技4,000円)
こんな人にお勧め
・全ての社会人
普段のお給料から天引きされている税金や年金・保険といったものへの理解が深まります。
住宅ローン控除や医療費控除、ふるさと納税(寄付控除)といった税金を軽減する仕組みや、生命保険や火災保険・傷害保険の選び方など、大人が生きていくうえで必ず必要とする知識を得られます。
また現時点では関わりが無くてもこの先の人生で関わることになるかもしれない贈与・相続といったややこしい事象を予習できます。
・全ての学生
世の中のお金の仕組みや、年金の学生納付特例・奨学金のメリット・デメリットなど、進学・就職前に覚えておくとその後の人生で必ず役立つはずです。
社会に出る前の学生のうちにFPの知識を身につけられれば後の人生で間違いなく有利になるはずです。
資格受験記録
受験のきっかけ
いままでは毎月支払うだけだった年金ですが、受け取るときのことも考え始めなければいけない年齢に達してしまいました。
NISAやiDeCoといったワードを耳にする機会が増えたもののいまいちピンとこない。調べてみても基本的な知識が欠落しているのでよく分からない。
自動車保険・火災保険・生命保険・・・、色んな保険もよく分からずに加入していた。
といったことから、お金のことに関して基本的な知識を勉強したいという衝動に駆られました。
勉強時間
28日間、約60時間
難易度(個人的体感)
とにかく範囲が広いです。大きく分けても以下の6分野
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
これらの6分野の下位にも分野が分かれているので全部で50分野以上。覚えることが膨大です。
ですが3級では浅い知識しか問われませんので過去問を繰り返し解くだけで自然と覚えられます。
実用性(個人的感想)
資格としての実用性
国家資格ではありますが3級は基礎知識の習得に終始するため履歴書に記載できるほどの資格では無いらしいです。
とはいえ基礎知識が無くては応用も利きません。納税分野だけ見ても確定申告や年末調整、ふるさと納税といった覚えておきたい知識が身につくので就職・転職での実用性は確かにあります。
知識としての実用性
貯金、税金、年金、保険、etc。お金というものは生きている限りずっとつきまとってきます。
そのお金に関する知識を備えているか否かで人生の歩き方が変わってきます。ワタシのように50過ぎてから知識を備えるよりも、もっと若い頃から備えておけば現在とは異なる人生を歩んでいたのかもしれません。もちろん良い意味で。
どこかで誰かが書いていたのを読んだ記憶があるのですが「FPは教養である」という言葉が一番シックリくると思います。
教養は無駄にはなりません。人生の節目節目で必ず役に立つはずです。
受験してみた感想
メジャーな資格だけあってWEB上で知識を得ることが可能です。
私が取った勉強方法は、
Youtubeで解説されている動画を見て知識をインプット→過去問を解いてアウトプット
という方法です。これを分野ごとにひたすら繰り返しました。
参考書や問題集など紙の媒体は一冊も購入せずともWEB上の無料コンテンツだけで十分に合格できます。
FPに限らず過去問が公開されている資格試験では過去問を徹底的に解きまくるのが合格への最短ルートだとワタシは考えます。

Youtubeで解説してくれている配信者さんはたくさんいます。それぞれ個性的な人なので自分に合った配信者さんを見つけるといいです。
過去問は過去問道場で決まりです。

上位資格
上位の級にはFP2級・1級があります。またFP協会が独自に認定するAFPという資格があります。
FP3・2・1級は国が認める技能士検定(国家資格)ですが期限や更新制度がありません。
AFPはFP協会の協会員として常にスキルアップをしながら2年ごとの更新が求められる、より実践的な資格となります。FP2級と比較される対象となります。(同時所有も可能)
AFPの上位にはCFPという資格もありますが、これはFP1級と比肩する資格です。
またFPで問われる各分野ごとに専門性の高い上位資格が存在します。
- タックスプランニング→税理士
- 不動産→宅建士・司法書士
- 相続・贈与→行政書士・司法書士・弁護士
簿記もお薦め
FPを教養として考えると日商簿記3級の取得もお薦めです。
簿記的なお金の考え方を身に付けることでお金の動く順番やルールが分かるようになります。
またFP2級試験へのステップアップにも有利です。