本音をオブラートで包んでみた

携帯を持とうと決めてから色々と調べる機会が多くなりました。
ニッチなジャンルの調べ物ならいざ知らず、「携帯」のようなメジャーなキーワードをメインに調べ物をした場合、複合するキーワードをよほどうまく絞り込まないと望んでいない情報までが大量に引っかかる。

まぁオイラのように携帯に関する基礎知識もない人間には、本来の目的ではない情報が引っかかったとしても、それはそれで思わぬ情報として有意義だったりするので大歓迎なのですが。

連日のように暇に飽かせて携帯に関する情報を探していて気がついた。携帯サイトをPCで閲覧する方法を求めている人が意外に多い。

ご存じのように、最近では多くのサイトが携帯端末専用のページを用意しています。比較的新しい携帯端末のほとんどにフルブラウザ(PCサイトビュアー)が搭載されているとはいえ、携帯向けに最適化されているページを読めるならその方が経済的にも安心。
またPC向けのページを設けずに最初から携帯専用サイトとして運営しているところも多々ありますな。

あらゆる種類・ジャンルのあるPCサイトと違って、携帯サイトの多くは何らかのコンテンツを配布しているサイトが圧倒的に多い。待受とか着うたとかアプリとか。
それらのコンテンツ配布サイトを携帯よりも操作性が良く高解像度のPCから閲覧できたら、コンテンツの把握も楽だしダウンロードも簡単にできる。なによりパケットが必要ない。
そう思う人が出てくるのは当然の話です。

ところが上手くできているもので、PC&携帯に両対応しているサイトにPCからアクセスすればPC向けサイトが表示されるのは当然のこと。
携帯専用サイトのURLにアクセスしても、多くの場合はpc.htmlなんてページが開いて「携帯から閲覧してください」と表示されちゃう。ご丁寧にQRコードが表示されたり「URLをメールで送信」なんてリンクが用意してあって。

くそ、どうにかしてPCで見れないかな。

と、携帯サイトをPCで見たいって人の心理はこんな感じなのでしょうな。
オイラも携帯を持っていないのでこの気持ちはよく分かる。

その反面でオイラは携帯向けサイトでコンテンツを提供する側でもありまして、そっちの立場から言わせていただきますと、PCでアクセスされるとウザイのよ。
なぜPCからのアクセスを弾いているか考えてくれ、と。そうするのには複雑な大人の事情があるのよ。

ってことで、迷惑だから素直に携帯から見てちょうだい。

と、これで終わらせようとしたんだけど、書き始めちまったものは仕方がないからもう少しだけ書く。

アクセスしてきたのがPCなのか携帯なのか。アクセスされた側はどのように判別してるんでしょうか?
判別する方法は複数ありまして、判別方法によってはPCからのアクセスを弾いているページを無理矢理表示させることは可能です。
まぁいろいろなサイトで紹介されているから特に目新しい情報ではないですし、すでに知っている人も多いかと思いますが、偶然にこの記事を目にした方はともかく、その手段を求めてこの記事にたどり着いた方がいるとしたら、説明をする前に一言だけ言わせてください。

いいかい、やられる側は大概迷惑に思うんだからね。それを心に留め置いていられる人だけ続きを読んでちょうだい。

PC or 携帯のアクセスを判別する方法で、もっとも導入が簡単なのはユーザーエージェントによる判別です。導入が簡単なので個人サイト(勝手サイト)で使われていることが多いです。
ユーザーエージェントとは、アクセスするサイトに対してブラウザが送信する情報の一つで、使用しているOSの種類やバージョン、ブラウザの種類やバージョンが含まれています。
アクセスしてきたユーザーエージェントを解析して、その中にPCで多く使われているIE(InternetExplorer)やFirefoxといった文字列が含まれているとアクセスを拒否するという仕組みです。
ということは、ユーザーエージェントを携帯端末のものに変更してからアクセスすれば、この方法で判別しているサイトをPCで閲覧することができるわけです。

ブラウザが送信するユーザーエージェントを変更する方法はいくつかありますが、最も簡単なのはユーザーエージェントが変更できるブラウザを使う方法。
ユーザーエージェントが変更できるブラウザには以下のようなものがあります。

FireFox
配布されているアドオン、User Agent Switcher を使用することで携帯端末のユーザーエージェントに変更できます。

Sleipnir
設定画面からユーザーエージェントを変更可能です。

Lunascape
設定画面からユーザーエージェントを変更可能です。

もう1つ、PC or 携帯 を判別する方法として普及しているのがIPアドレスで判別する方法。
IPアドレスとはインターネットに接続している端末を識別する番号のことで、インターネットに接続して情報を取得するにはIPアドレスの送信が必須になります。
PCの場合は接続会社(ISP)を通じて自動的に契約者に割り当てられますが、携帯の場合はキャリアが契約した端末に割り当てていて、その情報を一般に公開しています。
そこで、アクセスしてきた端末が送信してきたIPアドレスが携帯キャリアに割りあえてられているものかを判別して、そうでなければアクセスを拒否するわけです。

ユーザーエージェントと違ってIPアドレスは世界的な管理が行われているものですから、一般のユーザーが自由に変更できるものではありませんし、簡単に偽装できるものでもありません。
PCからのアクセスを携帯のIPアドレスに見せかけることは可能ではありますが、詳しい手順を明らかにしているサイトはオイラが知る限りありません。
ということでオイラもこれ以上は書けません。

ユーザーエージェントを偽装してIPアドレスも偽装したのに見ることができない携帯サイトが沢山あります。それらのほとんどはキャリアが運営する公式サイトです。

DoCoMoを例にとりますと、そういう公式サイトはDoCoMoのインターネット網の内部で公開されているわけです、なのでDoCoMo端末からのアクセスしか受け付けません。というかDoCoMo端末以外からはアクセスすらできません。フレッツに於けるフレッツスクエアと同じです。
また、携帯端末が送信する特殊な情報を読み取ってアクセスの許可をするサイトも多くあります。

閲覧したいと思うサイトがどのような方法でアクセスを判別しているかは実際にアクセスしてみないとわかりません。
ユーザーエージェントとIPアドレスの2だん構えで判別しているサイトも多いです。ユーザーにとって魅力のあるコンテンツを配布しているサイトほど厳重に判別していたり、レンタル掲示板などユーザーの悪意による荒らしやいたずらが多く発生する可能性のあるサイトでもPCからのアクセスにナーバスだったりします。

オイラも長いこと携帯サイトの運営をしていますが、勝手サイトに於けるPCと携帯の振り分けはこの数年でかなり普及してきました。素人に毛の生えたような知識しかないオイラが作るサイトでも99%の精度でPCからのアクセスを遮断していますし、勝手サイトでよく利用されているレンタルホームページやレンタル掲示板などのサービスでも、PCからのアクセスを禁止する設定ができるところがほとんどです。

逆にPCからのアクセスを歓迎しているサイトではPC用にページを設けることが多くなりました。企業運営のサイトでは集客アップのためにPC用のページを作ることが当たり前になっています。
携帯にPCサイトビュワーが搭載されても、それですべてのPCサイトが見られる訳じゃありません。PCサイトビューザーでのアクセスでもPCサイトを見せずに携帯向けページに転送させるサイトも少なくないです。

最近の携帯端末は高性能化が進み、「多機能な電話」というより「電話がかけられるPC」のようになってきました。若年齢層の人たちの中には「携帯があればPCは必要ない」という人も増えていると聞きます。ユーザーの意識の中ではPCと携帯の垣根がずいぶんと低くなっているのかもしれません。ですが実際にはPCのWEB環境と携帯のWEB環境では大きな相違があるのが現実です。
なのでPC向けと携帯向けのページをそれぞれ作りアクセスを振り分けるしかないわけです。よかれと思ってやっているわけです。

だからね、携帯向けのページを無理矢理PCで見るのはほどほどにしてください。おながいします。

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