珍しく時事ネタから

事前に断っておきますが、そっち系(商社とか)の専門知識や従事経験は一切無いので的外れな部分もあるはずだけど気にするな。

日夜世間の話題をさらっている毒入り餃子。
中国で生産されたということで嫌中国の世論が蔓延するのは仕方がないとは思う。そうでなくとも大気汚染だとかエネルギー消費なんかで世界の流れから逸脱しているわけだしねぇ。
高度成長期の日本がそうであったように、急速に発展中の国はある程度仕方がないとは思うけど、それを言い訳にして・・・。
あぁ、嫌中国がこの記事の趣旨ではなかった。

毒入り餃子の毒がどの段階で混入したのかは現時点では定かじゃないってことですが、ここでは中国国内で混入したと仮定させていただきます。

そもそも何で中国で生産して日本国内で販売されているのか?コストが安いからですわな。
日本までの輸送費や現地スタッフの人件費なんかを考えても日本国内で生産するよりは安上がりなんでしょう。それくらいはオイラでも分かる。でも、その考え方を続けている限り国外で生産された製品への安心感は得られないんじゃないのかね。
コストが安いから、人件費が安いからという理由だけで国外での製造拠点を増やしていくのはちょっとオカシイと思うのはオイラだけか?

庶民の感覚としては物価が安いに越したことはない。そりゃ分かる。だけど安けりゃ何でもいいのかと言うとそうでもない。幸いにも日本は裕福な国であるから、食うや食わずの生活を送っている人の割合は多くない。貧困にあえいでいる国では無い。
だから何でもかんでもコストを下げて安く売らなきゃいけないって訳じゃないと思うんだよね。

オイラのかつての職業は製造業でした。店頭で3万とか5万とか、モノによっては10万近い値段で売っている製品を作っていました。
店頭での売価だけを知る人からは「儲かるでしょう」と言われます、がとんでもない。どんな高級品であろうとそれを作る立場の人間に支払われる報酬は微々たるもんです。月に100や200作ったのでは生活していくのがやっと。その程度のもんです。
機械による流れ作業じゃないよ。手に職を持った人間が手作業で丁寧に作った結果、得られる報酬がその程度なんです。

野菜を作る現地の農民は、使用できる農薬や肥料から作業時のコスチュームまでを日本企業から事細かく指導され、製造する工場でも安全性に対する細かいチェックがされている。それは大いに結構なこと。
だけど、それで人件費が安いってんじゃ労働者は報われない。
どんな製品・商品にしろモノを作る人間にはプライドってもんがあります。(モノを売る人間にもあるけど)
野菜を作る農民にだって餃子を包むパートさんにだってプライドというモノがある。個の人間としてのプライド、仕事に対するプライド。そのプライドを維持できる報酬を支払ってこそ安全な製品が生産されるんじゃないのかね?

日本の企業に作物を卸せば高く買い取ってくれる、作り甲斐がある。日本企業と取引のある工場で働けば賃金が高い、働き甲斐がある。現地の人にそう思って貰えるようにならないといけないんじゃないのかね。そうなってこそ安全性ってモノが保証されるんじゃないのかね。

「中国製の餃子は安全性が疑わしいけどとにかく安い」

「中国製の餃子は値段がちょっと高いけど本場だけあって素材は高級だし美味い」

オイラだったら間違いなく後者を選ぶがなぁ。

もちろんこれは中国に限らずね。

食糧自給率は年々下がる一方なんだし、食い物だけじゃなくて工業製品なんかもアジアでの生産に頼っているわけだし。既に国内だけじゃどうにもならないわけじゃない?
製造に於けるアジア諸国との関係がコスト最優先だとこの先やっていけなくなるんじゃないかねぇ。

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