雪ですなぁ。オイラの高校受験の日も雪だった、あれからもう20年以上経つのかと思うと寒気がするよ。20年なんてあっという間じゃん!このペースだと還暦だってあっという間だよ。
今じゃ寒くて嫌だけど、雪と聞いてワクワクしていた時代もありました。寒がりなくせによくスキーなんかに熱を入れてたな、と自分でも不思議だよ。
百貨店勤務時代は平日が定休日でしたから、スキー場は空いてるしツアーや宿は安いしで毎週のように出かけていました。仕事が終わってから新幹線に乗り込み、上越のスキー場に着くのが深夜。宿で半泊して翌早朝から滑ります。金がないときは宿が取れずにスキー場のウェルカムロビーで野宿したり、夜行バスのツアーに申し込んだり。
オイラよりもちょっと上の世代だと「私をスキーに連れてって」に絶大な影響を受けているので、先輩なんぞを誘うと「馬鹿だな、スキーは車で行くものだよ、じゃなきゃ雰囲気でないじゃん」なんてことを言われたもんです。オイラ好きですけどね、そういう雰囲気ありきの考え方って。でも車で行くよりも新幹線の方がはるかに快適で時間も掛からないし安全だし、結果として実際に滑る時間が沢山とれる。
とにかく滑ってるのが楽しかったから、雰囲気とかはどうでもよかった。リフト一日券で3日分くらい上り下りしないと気が済まない。
平日ということで人気のスキー場に行っても比較的空いていたんですが、他のサラリーマンと違って連休が取れないのが痛いんですな。メンバーは社内で募るし、百貨店が2日連続で店を閉めるなんてあり得ないしね。なので遅くとも最終の新幹線で帰ってこないと翌日の出勤には間に合わない。一度だけナイターまで滑って夜行バスで翌朝に帰ってきたことがあるんですが、いくら若いからとはいえさすがにこれはキツかった。
そんな冬の過ごし方を数年続けたある年の早春に高校時代の友人からスキーに誘われました。2泊3日の行程でスキー場に隣接する温泉街のホテルの泊まる、普通の人からしたら至極平凡なんでしょうがオイラにしたら凄く豪勢なスキー。
せっかくのお誘いなので有休を取って参加したんですが、「こういうスキーもあったのか!」と自分の世界観の狭さを思い知らされました。
なんせ宿には1人1つのベッドがある、狭い部屋に男女混合の雑魚寝じゃないんだよ。風呂は内風呂から露天風呂、はたまた部屋風呂まであるし、メシだって和洋中と選べるし。夜はナイターも行かずに温泉街を散策したり。
いつものように休憩も取らずにガツガツと滑っていると「ナニを急いでるのよ、明日も滑れるんだぜ」なんて言われて「はっ、そうか」なんて思ったり。
スキーなんて滑れさえすればそれで十分、付加価値なんて要らねーよ!という考え方が一変しました。「スキーは車で行くもの」と言っていた先輩社員の考え方もよく理解できる。映画のようにアフタースキーを楽しんだりすることもスキーの一部なんでしょうなぁ。
それから数週間後ですわ。会社を辞めたのは。
会社を辞したのは別に理由があるんですが、それを知らない連中はきっと「泊まりがけでスキーにいける仕事に就きたかったのね、きっと」なんて思っていたんじゃないでしょうか。未だにそう思っている人もいるかもしれん。
まぁ溜まってた有給を消化中に3週間ほどスキー場に住み込みアルバイトに出かけていたわけですから、そう思われても仕方ないんですが。
でもそのバイト以来オイラはスキーに行ってないことを連中は知らないわけです。大いなる誤解を与えたまま10年以上が過ぎたわけですわ。
4年生になる甥っ子が「雪が降らないかなー」と口癖のように言ってるらしい。テレビなんかで豪雪地帯の映像を目にして行ってみたいと思ったんだとか。
まだスキーというスポーツにまで関心は及んでないようなんですが、そろそろ教え始めてもいいのかなーと思ってます。子供のウチの方が覚えは早いし、自転車の乗り方と同じで一度覚えちゃえば何年滑らなくても忘れるもんじゃないしね。
問題はオイラが十年以上前に揃えた板やウェアが現在のスキー場で通用するかどうかだなぁ。板は身長より15~20cm長めってセオリーは健在なのかね?多色使いの派手派手なウェアでも違和感ないかね?
それ以前にオイラの大嫌いなゲレンデで座り込むスノーボーダーの居ないスキー場ってあるのかね?
浦島太郎だよ、まったく。