そろそろ桜の季節も終盤にさしかかった今日この頃ですが、これから迎える新緑の季節が過ぎると今年も夏がやってきます。
夏の恒例のニュースといえば海開きや花火大会が定番ですが、近年ではモバイルバッテリーやハンディファン(携帯型扇風機)の発火や爆発がネットニュースやSNSの話題の定番となりつつあります。
発火させたことがある人は少ないでしょうが、膨張させた経験がある人は意外と多いのではないでしょうか?
なぜリチウムイオン電池は発火したり爆発したりするのか?
また、そうして劣化・膨張したバッテリーや小型家電はどのように処分したいいのか?
この記事ではそうした疑問を解決すると同時に、リチウムイオン製品を購入するうえで気をつけたいことなどを解説します。
リチウムイオン電池はなぜ膨張するのか
リチウムイオン電池の寿命は思っているほど長くない
リチウムイオン電池が膨らむ原因は、内部の電解液が酸化分解されてガスが発生するためです。
リチウムイオン電池は充電と放電を繰り返すごとに少しずつ劣化していきます。一般的なモバイルバッテリーや家電製品で用いられているリチウムイオン電池は約500回の繰り返し充電が可能とされています。
500回ということは、毎日1回充電した場合で500日=約1年4ヶ月で寿命を迎える計算になります。毎日充電したら1年半弱しか使えないわけですよ。
では、寿命を超えて過剰に充電を繰り返すとどうなるか?
もうおわかりですね。内部でガスが発生して膨張するんです。
充電は計画的に
また過充電や過放電もリチウムイオン電池の劣化の原因とされています。
スマートホンや携帯電話などを充電する際に、うっかり忘れて充電したまま長時間放置してしまうことがあると思います。
スマホのような20ワットや30ワットといった大きな電力で充電する機器には充電を制御する保護回路が内蔵されています。充電に用いるACアダプターやUSBケーブルにも保護回路が内蔵されていることもよくあります。
過剰に充電が行われても内蔵された保護回路が電気の流れをシャットアウトしてバッテリーの劣化を抑えてくれるわけです。
ところが、ハンディファンなどの価格が2~5千円程度の製品には保護回路が内蔵されていないことがほとんどです。保護回路を組み込むと製品が大きくなって携帯性が犠牲になりますし、そのぶん価格も上げなくてはいけません。
リチウムイオン電池製品の正しい扱い方
取り扱い説明書を読みましょう
まずは取説です。取説にはその製品を安全に長く使うための情報が書かれています。
しかし、買ったらすぐに取説を捨ててしまう人のなんと多いことか!
最近では取説をネットに公開して読めるようにしているメーカーも多いですから、まずは取説を一読してみて下さい。
充電には付属のケーブルを使おう
ハンディファンやモバイルバッテリーにはケーブルが付属してきます。充電にはこの付属してきたケーブルを使って下さい。
特に最近普及しているタイプC端子のケーブルには注意です。タイプCは最大で100ワットの電力を流すことが出来る端子です。
対して、モバイルバッテリーやハンディファンの充電に使われる電力は5ワット~20ワットが一般的です。
仮に5ワットでの充電を指定されているハンディファンに100ワットの充電をしたらどうなるでしょうか。前述したようにハンディファンの多くには充電を保護する回路は内蔵されていません。
製品に付属しているケーブルは、その製品が安全に受け取れる適切な電力だけを流すように設計・調整されています。
もしも高出力なACアダプターを使ったとしても、適切な付属ケーブルを使っていれば、本体への致命的なダメージを防げる可能性が高まります。
製品にケーブルが付属しているのは理由があってのことです。安全のため付属ケーブルを使って欲しいから付属されているんです。
サービスで付属しているわけではないんですね。
ハンディファンの充電が未だにMicro USB(Type-B)を採用するのも同じ理由です。一般的に普及しているMicro USB(2.0)はType-Cのように大きな電力を流すことが出来ません。だからこそハンディファンのような製品に用いられるわけですな。
自治体別・ケース別のリチウムイオン電池製品の処分方法
この記事を書くために徹底的に調べました。
調べた感想を率直に述べさせて頂くと。
あー、面倒くせぇ!!
自治体ごとに扱い方が違いますし、バッテリーの状態や種類によっても自治体ごとに違うんですよ!
しかもネットでよく見かける情報も自治体ごとに当てはまったり当てはまらなかったりして、そりゃみんな混乱するのも当然だよね。本当に面倒くさいんだもの。
ということで自治体ごとに紹介します。
私がネットで調べていると嘘の情報が多かったので、情報の元となるソースもできる限り掲載します。
八潮市
ソース
八潮市:リチウムイオン電池の捨て方
八潮市:粗大ごみの出し方
基本的な処分方法
リチウムイオン電池を内蔵した製品(モバイルバッテリー・ハンディファンなど)、リチウムイオン電池本体など、ほとんどの製品は燃えないゴミの日に収集してくれます。
ただし、リチウムイオン電池であることが分かるように普通の燃えないゴミとは分けて出して下さい。
例外として、一辺の長さが一メートルを超えるもの、また重量が10kgを超えるものは粗大ゴミになります。市のリサイクルプラザに問い合わせて下さい(有料・予約制)
膨らんだり破損したリチウムイオン電池
これらも燃えないゴミの日に収集してくれます。上記と同様に電池であることが分かるように通常の燃えないゴミとは分別して出して下さい。
回収ボックス
市で設置している回収ボックスは存在しないようです。
また、ネット上では家電量販店などに回収ボックスが設置されている旨の情報が散見しますが、私が見聞きした範囲では八潮市内に小型家電やリチウムイオン電池の回収ボックスはありません。
草加市
ソース
草加市:リチウムイオン電池等の出し方
草加市:小型家電回収ボックスについて
基本的な処分方法
リチウムイオン電池を内蔵した製品(モバイルバッテリー・ハンディファンなど)は、不燃ごみ収集日にバッテリー内蔵機器のみを透明な袋に入れて、「バッテリー内蔵機器」等と書いた紙を貼って集積所に出してください。(ソース参照)
例外として一辺が50センチメートルを超える、または重さが10キログラムを超えるものは粗大ゴミとなります。市の環境業務センターに依頼して下さい(有料・予約制)
膨らんだり破損したリチウムイオン電池
市の環境センターに持ち込むと処分してくれます
燃えないゴミの日には出せません
回収ボックス
市内に回収ボックスが設置されています。場所はソースを参照して下さい。
三郷市
三郷市は非常に細かく定義されています
ソース
三郷市:充電できる小型家電の捨て方にご注意ください!
三郷市:小型充電式電池の回収
三郷市:粗大ごみの処理について
基本的な処分方法(ハンディファン・イヤホンなど)
「充電式電池内蔵」と書いた紙をはり、もえないごみの日にお出しください。
発火リスクを減らすため、製品が動かなくなるまで電力を使い切ってから処分いただくようご協力をお願いします。
例外として一辺が60センチメートルを超えるものは粗大ゴミとなります。市のクリーンライフ課 清掃美化係にお問い合わせ下さい
モバイルバッテリーの処分方法
市が設置した回収ボックスに入れるか、市役所2階のクリーンライフ課までお持ちください。
燃えないゴミでは出せません。
膨らんだり破損したリチウムイオン電池
市役所2階のクリーンライフ課までお持ちください。
燃えないゴミでは出せません。
回収ボックス
市内に回収ボックスが設置されています。場所はソースを参照して下さい。
足立区
足立区は最も処分に厳しい印象です
ソース
足立区:小型家電リサイクル法が施行されました
足立区:リチウムイオン電池など小型充電式電池の出し方
足立区:粗大ごみの出し方
足立区公式X:膨張した電池について
基本的な処分方法
リチウムイオン電池を内蔵した製品は基本的に区では回収していません。
使用者の責任の下で購入店などに依頼して処分して下さい。
家電量販店では有料で処分を引き受けてくれる店舗があるそうです。
どうしても処分できない場合のみ、足立清掃事務所、足立区環境情報プラザの2箇所でのみ引き取ってくれるそうです。
モバイルバッテリーの処分方法
上記「基本的な処分方法」と同じ
膨らんだり破損したリチウムイオン電池
足立清掃事務所で引き取ってくれるそうです
足立区公式X:膨張した電池について
回収ボックス
足立区の公式サイト内には回収ボックスの記載がありません。
お店で回収してくれる、は本当か?
ネットで検索すると「家電量販店に持っていけば引き取ってくれる」という情報がヒットします。
その一方で、「そう聞いたので持っていったら引き取ってくれなかった」という情報も散見します。
果たして真実はどちらなのか?引き取ってくれるのか?引き取ってくれないのか?
その疑問を解決するにはJBRCの存在を知らなければいけません。
JBRCとは
JBRCとは日本国内に拠点を持つメーカーが加盟する一般社団法人です。
リチウムイオン電池やニッケル水素電池などを製造するメーカー、及びそれらの充電池を使用する製品を販売・輸入するメーカーの多くがJBRCに加盟しています。
例を挙げると
パナソニック、東芝、日立、シャープ、三菱電機といった大手家電メーカー
Apple、NEC、富士通といったパソコンメーカー
バッファロー、エレコム、IOデータといった周辺機器メーカー
と、大小合わせて様々なメーカーが加盟しています
Xiaomi(小米技術日本)、Anker(アンカー・ジャパン)など海外(中国)発祥のメーカーであっても日本に支社や法人登録がある企業はJBRCに加盟しています。
出典
https://www.jbrc-system.com/page/pm/temkc020/
JBRCは加盟企業の製品を回収している
2001年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」により、小型充電式電池の回収・再資源化が義務づけられました。
JBRCという団体は上述した加盟企業が販売する小型充電式電池のリサイクル活動を共同で行う団体として、2004年4月にスタートしました。
出典
https://www.jbrc.com/whats_jbrc/
要するに、JBRCに加盟している企業の製品はJBRCが責任を持って引き取りますよ、ということです
JBRCで回収できるもの、できないもの
JBRCでは回収できるものと出来ないものを明確に定めています。
出典
https://www.jbrc.com/recovery_base/disposal_method/
回収できるもの
二次電池
二次電池とは充電することで繰り返し使える電池です。リチウムイオン電池の他に、ニッケル水素電池、ニカド電池も回収の対象です。
これらの二次電池のうち、取り外しが容易に出来る電池本体(電池パック・バッテリーパック)が回収対象です。
充電用途に用いられるバッテリー製品(要するにモバイルバッテリ-)もこの二次電池に含まれます
電動自転車のバッテリーは?
ブリジストン・ヤマハ・パナソニックといった電動自転車を販売しているメーカーはJBRCに加盟していますので協力店や協力自治体で回収してくれます。
ただ、家電量販店やスーパーでは大型のバッテリーの回収は断られるかもしれません(大きなバッテリーを扱い慣れていないため)、まずは自転車を購入した店舗に相談。できなければ自転車を販売しているホームセンターや自転車専門店などに相談してみるといいかもしれません。
自動車・バイクのバッテリーは?
自動車やバイクのバッテリーはJBRCの回収対象外です。
ディーラーなどの自動車販売店やオートバックスなどの自動車用品販売店、ガソリンスタンドなどに相談してみて下さい。
回収できないもの
電池が取り外せない製品
充電できる電池を内蔵していても容易に取り外しができない製品は小型家電製品に分類されるのでJBRCによる回収の対象外です。
各自治体の小型家電製品の処分の仕方に倣って処分してください。
分解して取り外した電池
製品を分解して取り外した電池は安全性が担保されませんので回収の対象外です。
分解の定義が難しいのですが、個人的には道具や工具を用いて取り外すことを分解だと思っています。
昔のガラケーって裏面のカバーを外すと電池パックが見えて簡単に交換できたじゃない?また、昔のノートパソコンや大型のノートパソコンもバッテリーが取り外し出来るものが多いいです。
そんな感じで道具や工具を使わずに簡単に取り外せるバッテリーはJBRCの回収対象です。
逆に、いまどきのスマートホンのほとんどは自分でバッテリーを交換できません。いや、出来なくは無いけど道具や工具を使って分解しなければいけませんよね。
いまどきのパソコンも同じで、バッテリーは内部に格納されていてマザーボード(基板)に直接接続されていておいそれと取り出すことが出来ません。
そういった簡単に取り外すことが出来ないバッテリーを無理矢理取りだしたものはJBRCでは回収してくれません。
膨張・破損した電池
膨張した電池や破損した電池も安全性が担保されないため回収対象外です。各自治体の処分方法に倣って処分して下さい。
家電量販店はJBRCの協力店
JBRCに加盟している企業の商品はJBRCが回収します!
と言われても、JBRCってどこにあるの?JBRCの所在地に持ち込まなきゃいけないの?
となりますよね。JBRCは団体なので自らの回収窓口を設けていません。
そこで、一般の店舗や事業者・自治体などに協力を仰ぐことで回収の窓口を儲け仕組みになっています。
協力店の検索
JBRCのサイトに協力店を検索するシステムが載っていて誰でも利用することが可能です。https://www.jbrc-system.com/page/pc/techc010/
八潮市内の協力店
- ヤマダデンキ八潮店
- ツノイデンキ
- ケーズデンキ八潮店
残念ながら八潮市はJBRCの協力自治体では無いようです。市役所など市の施設では回収してくれませんのでご注意を。
草加市内の協力店
- ヤマダデンキNew草加店
- ジョーシン草加松原店
- イトーヨーカドー草加店
- イトーヨーカドー新田店
- アイリスプラザ ユニディ草加新栄店
- ロイヤルプロ 草加谷塚
草加市では上述する市内の専用回収ボックスでも回収を行っています。
三郷市内の協力店
- ヤマダデンキ三郷店
- エディオンららぽーと新三郷店
- イトーヨーカドー三郷店
- スーパービバホーム三郷店
三郷市では上述の市内回収ボックスでもJBRC加盟企業の製品を回収しています。
足立区内の協力店
- 区内のヤマダデンキ
- 区内のケーズデンキ
- 区内のコジマ×ビックカメラ
- 区内のイトーヨーカドー
他にも一部のホームセンターや電気店も協力店となっているようです
足立区では回収を行っていませんし協力自治体にもなっていません。
また回収ボックスも設けていません。
お店で引き取ってくれるのか?まとめ
以下の条件を満たす場合はJBRCの協力店で引き取ってくれます
- JBRCの加盟企業の製品であること
- 取り外し可能な二次電池であること
- 膨張・破損していないこと
回収はお店の人に依頼する
協力店の店内に回収ボックスが設置されていることは希で、ほとんどのお店で直接お店のスタッフに回収を依頼することになると思います。
お店はJBRCの窓口であって、回収の条件はJBRCの条件に準じます。お店が回収しているのではなくて、あくまでJBRCが回収しているわけです。
JBRC加盟企業では無いメーカーの製品はどうなる?
家電量販店などで回収して貰えるのはJBRCに加盟している企業の製品に限られると書きました。
では、JBRCの加盟企業のリストに名前が無いメーカーの製品を処分するにはどうすれば良いのか?
メーカー独自に回収していることがある
法律よりメーカーには小型充電式電池の回収・再資源化が義務づけられています。JBRC非加盟の企業の中には独自に回収をしている企業があります。
Aukeyヤフーショッピング店:ご不要になったリチウムイオン電池使用製品の引き取りについて
Aukey楽天市場店:ご不要になったリチウムイオン電池使用製品の引き取りについて
自治体のルールに従って処分する
繰り返しになりますが、JBRC非加盟の企業の製品は家電量販店などの店舗では回収してくれません。ですのでお住まいの自治体のルールに従って処分して下さい。
まとめ
現状はメーカーも自治体も責任の押し付け合い
自治体の処分方法を調べていると、JBRCでの回収やメーカー独自の回収を案内する記事をたくさん見かけました。
特に顕著なのが足立区で、公式の案内には
- まずは製造したメーカーに問い合わせを
- 回収協力店(家電量販店等)への持ち込み
の順に案内されて、最終的に
膨張や破損により回収協力店や各社ショップから持ち込みを拒否されてしまった場合は下記区内施設までご持参いただければ回収いたします。
https://www.city.adachi.tokyo.jp/seso/kurashi/kankyo/gomi-wakekata/kogatazyuudenshikidenchi.html
と案内されます。
この記述の仕方には区では極力処分したくないという意向が見え隠れしているように思えます。
かと思うとJBRC非加盟のメーカーであるUGREENのページでは
- お住まいの地域の自治体を通して回収・処分する(おすすめ)
- リサイクル専門業者に依頼して回収する
- UGREENのモバイルバッテリー回収サービスを利用する
の順番で案内されるんです。
自治体は「メーカーに依頼しろ」と言いますが、メーカーは「自治体に相談しろ」と言ってきます。まさにたらい回しです。
政府主導でモバイルバッテリーの再資源化の義務付けを検討しているようですが、実現するにはまだ時間が掛かりそうです。それまではこのたらい回しが続くのでしょう、たぶん。

捨てるときのことも考えて買う時代
また繰り返しになりますが、法律よりメーカーには小型充電式電池の回収・再資源化が義務づけられています。
しかし、世の中はその義務を果たしていないメーカーの商品であふれかえっているのが現状です。
法律で定められた義務を果たそうとしない企業が、ユーザーにとって魅力有る製品を開発・販売できるのでしょうか?
- 安いから
- SNSでバズってるから
- みんな使ってるから
そんな安直な理由で粗悪品を使っている人が多いです。
バッテリーは消耗品です。いつか寿命が尽きます。粗悪品ならなおさら寿命が短いでしょう。膨張・破損することも多いでしょう。
しかし、寿命が尽きた製品の処分を粗悪品メーカーは請け負ってくれません。売ったらそれまでです。
粗悪品を販売するメーカーが後を絶たない現状で、我々ユーザーに出来る大事なことは粗悪品を買わないことです。
それには粗悪品を見極めることが必要です。
見極めというと難しそうですが、ここで言う「粗悪品」とは「回収・再資源化の義務を放棄しているメーカーの製品」ですので、「回収・再資源化の義務」を果たしているメーカーの製品を選べば良いだけです。
具体的にはJBRC加盟メーカーの製品を選ぶ、ということですね。
JBRCに加盟しているメーカーの製品であれば寿命が尽きても協力店に引き取って貰えます(膨張・破損してる場合を除く)
ぶっちゃけて言えば、「まともなメーカーのものを買え」と言うことです。
バッテリーが膨張するのはユーザーの落ち度
ちょっと悪態をつきますがご勘弁を。
1万円とかする有名メーカーの高額なモバイルバッテリーでも膨張しないわけではありません。
が、モバイルバッテリーの値段は安全性をどれだけ担保するかで決まるんですよ。
準個体電池や半固体電池、リン酸鉄リチウムイオン電池といった次世代の技術を注ぎ込んだり、保護回路を複数重ねたりすることで価格は上がっていくんです。
逆に言えば、極端に低価格の製品は安全性に手を抜いている可能性が高いです。
価格と安全性の関係性(なぜ安物は危険なのか)
モバイルバッテリーの原価は、大きく分けて「セル(電池の中身)」「基板(保護回路)」「外装」の3つです。極端に安い製品は、目に見えないこれらの「安全コスト」を徹底的に削っています。
- 保護回路(基板)のコスト:まともなメーカーは、過充電、過放電、過電流、ショート、温度異常を監視するICチップ(保護回路)を何重にも搭載します。粗悪品はここをケチり、最低限の回路しか載せません。
- セルの品質ランク:電池のセルには品質ごとにランク(A品、B品など)があり、価格が全く違います。超格安品には、寿命が短くガスが発生しやすい低ランクのセルや、最悪の場合は廃棄品を再利用したセルが使われていることがあります。
- 外装の素材:安全な製品は、万が一内部で発火しても燃え広がりにくい「難燃性(V-0等級など)」のプラスチックを使いますが、安物は燃えやすい普通のプラスチックを使います。
「安い=見えない安全コストを削っている」ということを忘れないでください。
また、取説も読まずに過充電や過放電を繰り返すような使い方をすれば電池は劣化してやがて膨らみます。
膨らんだ電池が処分できない!どうすればいいんだ!
SNSではこういう嘆きをよく見かけますが、
まずは、膨らむような粗悪品を買った自分を責めて下さい。
膨らむような使い方をしたことを反省して下さい。
じゃないと次に買ったモバイルバッテリーもまた膨らみます。
Amazonでちょっと検索するだけで粗悪品がたくさん見つかります。
🚨 騙されないで!怪しい商品のよくある特徴
メーカー名が聞いたこともないアルファベットの羅列。
「45W以上の高出力」や「20000mAh以上の超大容量」を謳っているのに、価格が2,000円台など異常に安い。
商品名に「2026年最新版」「超小型」「急速充電」などのキーワードが不自然に羅列されている。
極端に安くて高性能なものは、中の保護回路などの「安全コスト」を削っている可能性が非常に高いです。火災リスクを買わないように気をつけてください。
とはいえ、消耗品であるモバイルバッテリーにあまり多くのお金は費やしたくないところ。
私がいま買うとしたらこの辺でしょうか。
スマホ1台を1回充電するだけなら


長寿命で機内持ち込みもOKな安全性なら

終わりに
スマホ、パソコン、タブレット、スマートウォッチ
イヤホン、ICレコーダー、デジカメ
スティック掃除機、ロボット掃除機、電動歯ブラシ、電気シェーバー
ゲーム機、電子タバコ、電動自転車、電動工具
などなど、リチウムイオン電池はあらゆる製品の内部で活躍しており、常に我々の身近な場所で活躍しています。
これだけ普及しているにもかかわらず、日本では役目を終えたバッテリーの処分を持て余しているのが現状です。
爆発や発火が相次いでいることで国を挙げて対策を講じていますが、当分はメーカーと自治体、そして我々ユーザーが協力して処分していかなければいけません。
いずれ「誰もが簡単に、安全に処分できる時代」がやってくることを願いつつ、それまではぜひこの記事の情報を活用して、ご自身と地域の安全を守る「賢い選択」をしていきましょう。

